日本国憲法と自民党草案の比較・・・その2 天皇

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7月の参院選で
脱原発を掲げて初当選した山本太郎参院議委員が
10月31日の秋の園遊会で天皇に手紙を渡そうとして
侍従長に取り上げられたという出来事に
ずうっともやもやした気持ちが続いている


「政治利用か」と新聞は書き立てていた
それをいうなら、2013年4月28日の政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」への天皇出席、五輪招致への皇室派遣など、安部政権自体も皇室を大規模に政治利用しているではないか。

1952年4月28日は日米安保条約が発効した日であり、今も在日米軍基地の74%が沖縄にはあるが、まさにこの「主権回復の日」は今の沖縄の運命が決まった日でもある。

沖縄ではこの日「4・28『屈辱の日』沖縄大会」が開かれていた。まさに同じ頃、「主権回復式典」が行われていた永田町の憲政記念会では、天皇が退場した際に、安倍首相ら三権の長らが揃って「テンノーヘイカッ、バンザーイ!」と万歳三唱したそうだ。

これを知ったとき、ものすごい怒りをおぼえた

それに比べたら、山本氏のやったことは
なんと子どもっぽく、純粋なんだろう

世の中にはいろんな考えの人がいる
脱原発の人の中にだって
天皇に親しみを感じている人もいるだろう

わたし自身は母の影響力が強く
とにかく天皇という存在がいやだ
天皇制がなくなればいいとさえ・・・

海外の人からはどう見えるのだろう
山本氏の行動を
それほど問題視しないのではないだろうか


しかし・・・わたしはやはり憲法にこだわっている
なにかこうした天皇への扱いに
危険なものを感じてしまう


自民党の改憲の草案での「天皇」を日本国の元首とする
という文言にひっかかっているからだ


そこで今日は
現行憲法の「第一章 天皇」と
自民党草案の「第一章 天皇」を比較してみる



*--*-*・・-◇◆日本国憲法 第一章 天皇◆◇-・・*-*--*
  第一章 天皇


第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く

第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。

第三条  天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
   ②  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第五条  皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

第六条  天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
   ②  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 一  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二  国会を召集すること。
 三  衆議院を解散すること。
 四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに、全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
 六  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七  栄典を授与すること。
 八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九  外国の大使及び公使を接受すること。
 十  儀式を行ふこと。

第八条  皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

*-*-*-*-・-・-◇◆・・-・・・・-・・・◆◇-・-・*-*-*-*
明治憲法下では、天皇が政治利用され、天皇の名の下、軍隊が暴走した。
 その過去を悔い、現行憲法では、一章で天皇の権力を縛り、二章で軍事力を縛っている。

*天皇の仕事として、国会の召集や法律の公布などの国事行為「のみ」を定め、それを「内閣の助言と承認」の下においている。


*-*-*-*-・◇◆自民党草案 第一章 天皇◆◇・-・*-*-*-*
第一章 天皇


第一条 (天皇)
天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。 


第二条(皇位の継承)
皇位は、世襲のものであって、 国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。


第三条(国旗及び国歌) ・・・・・新設

1.国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。

2.日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。

第四条(元号)      ・・・・・新設
元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。


第五条(天皇の権能)
天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。

  *日本国憲法一章 第四条の②を削除

   *日本国憲法一章 第五条を削除


第六条(天皇の国事行為等)

1. 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。

2.天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。
 
一  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二  国会を召集すること。
三  衆議院を解散すること。
四  衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
五  国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
六  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七  栄典を授与すること。
八  全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九  外国の大使及び公使を接受すること。
十  儀式を行うこと。

3. 天皇は、法律の定めるところにより、前2項の行為を委任することができる。

4. 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。

5. 第1項及び第2項に掲げるもののほか、
天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。

第七条(摂政)

1. 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。

2.第5条及び前条第4項の規定は、摂政について準用する。


第八条(皇室への財産の譲渡等の制限)
  皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。


*-*-*-*-・-◇◆・*・*・・*・◆◇・-・-・*-*--*


* 憲法で「日本国の元首」として天皇を位置づける必要はない。その権限をきちんと縛っておかないと天皇が政治に利用される。(過去の戦争で、天皇が政治利用され、天皇の名の下に軍隊の暴走を許した。)
 

* 新設された第三条は問題がありすぎる
「1. 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。」
「2.日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。 」
   

国旗よりも国歌のほうがより問題だと思う。
  
日の丸はこのハチマキを締めた日本兵が、戦場に向かい、多くの隣人を殺した。この記憶を忘れない人々にとって、これはつらい。
  
しかしそれよりももっと問題なのは国歌だ。日本語の意味がわからない外国人にとっては、スポーツの祭典で流れる和楽器の歌は神秘的なだけだろう。しかし日本人にとっては、君が代の歌詞の意味はちゃんとわかる。


1937年の尋常小学修身書巻4で、下記のように意味が書かれている。

- 『君が代』の歌は『天皇陛下がお治めになるこの御代は、千年も万年も、いや、いつまでもいつまでも続いてお栄えになるように』という意味で、まことにめでたい歌であります。-

学校現場では、その昔、「『君』というのは『You』という意味で『民』のことだ」と、苦し紛れに答弁した校長がいたが。今は、そんな馬鹿なことも言えないほどの管理現場。安部政権は、この修身の教科書を彷彿とさせるように、道徳の教科化を・・・どうかしているな~

君が代の歌詞は問題がありすぎる。明らかに主権在民に反する。こんなことを憲法に書く必要はない。


* 新設された第四条(元号)も問題あり。
「元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。」

元号なんて必要ないとわたしは思っている。西暦でしか過去をふりかえることができない。

そもそも、元号とは中国の皇帝が、「時」を管理する権力者として使い出したもの。この世の所有者は皇帝であるから、「時」も皇帝のものという意味で、元号が使われていた。
  
皇帝が暦を作り、民衆の「時」を管理していた。

国民主権のこの国では、そんな意味の元号制はよくない。わざわざ憲法に書く必要などない。
   

* 第六条(天皇の国事行為等)
「4. 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。 」

現行憲法では「内閣の助言と承認」となっていたものが、「内閣の進言」となっている。「進言」とは目下の者が目上の者に意見を言うという意味。これは天皇主権への布石か。
 

* 第六条(天皇の国事行為等)
「5. 第1項及び第2項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席、その他の公的な行為を行う。


天皇というのは歴史的文化の象徴。日常生活に引っぱり出してありがたがるのはおかしい。それ故に、今回の出来事やいろんなイベントへの出席にも、なにか違和感を感じる。それを憲法に書いてしまったら、どうどうともっと利用しようという人が現れる。  





天皇を元首とするにしても、国民がそのことの意味をちゃんと知り、天皇が勝手に利用されないようにちゃんと監視してゆくことが大切だと思う。しかし昨今のいろんなことを見ていると、とても不安を感じる。現行の憲法のように、きちんと政治利用への縛りをかけておかなければと思う。

           ....その3へつづく



参考HP:自民党憲法草案の条文解説

はじけるしゃぼん星

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